お便り

日本酒シーンを振り返る

2021/09/23 18:54

2021年9月吉日、以下の内容でニュースレターを配信しました。

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日本酒シーンを振り返る
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『お初天神 ほくりゅう』です。

このメールは「ぐるなび」から会員登録頂いた皆様にお送りしております。

「緊急事態宣言」により、まる2ヶ月、お休みしてきましたが、10月1日からは営業再開できそうです。しかし当面は縮小営業が続くでしょうし、僕らがマスクもパーティションも無い店内を取り戻せるのは、まだまだ先のように思われています。

10月1日といえば「日本酒の日」。

今年の「日本酒ゴーアラウンド」は10/28〜30に延期になりましたが、昨年同様の変則形式で開催されます。こんなご時世ですが、日本酒の未来のためにも、(できれば当店でバッヂ購入の上)ご参加くださいませ。

ネットで農水省の「日本酒をめぐる状況」という資料を見つけたので、僕も居酒屋の立場で、日本酒シーンを簡単に振り返ってみようと思います。

僕は12年ぐらい前の2008年2月に、日本酒業界に入りました。天満の立ち飲み(イス有り)日本酒専門店で、店長さんをやらせてもらってました。

当時の天満界隈は、今よりずっと、人も店も少なかったです。でも2008年の秋、リーマンショックが起こり、繁華街の地勢図が大きく変わり始めました。

北新地あたりで楽しんでいたはずの中堅サラリーマン層が、「ウラなんば」やら天満、福島の裏路地系に通うようになってきて、僕のいた店の場合ですと、2008年度後半からの4年間で、売上高が2.5倍ぐらいに跳ねた、そんなイメージでした。

裏路地系が流行り出したわけですが、あのころはまだ、こだわりを持つ個人店を選んでくれるグルメ寄りのお客さんも、多かったと思います。年齢層を問わず日本酒ファンが着実に増えている、という実感もありました。

さかのぼって2000年頃は、日本酒はまだ「地酒」と呼ばれていて、低迷期でした。そこから、平成の後半にあたる15年間で、良いお酒がいっぱい出てきて、コアなファンを増やしてきたわけですね。

それでしばらく「上げ潮基調」が続きましたが、平成が終わる頃には、息切れしてしまいました。

【pdf】日本酒をめぐる状況・令和3年4月・農林水産省 (PDF, 344KB)
https://www.maff.go.jp/j/seisaku_tokatu/kikaku/attach/pdf/sake-6.pdf

・上記資料の2ページ目「特定名称酒の種類別出荷量の推移」のグラフをみると、純米系日本酒は、平成後半の15年間は、概ね増加傾向にあったことがわかります。

・4ページ目の「日本酒の国内出荷量の推移」のグラフは、その分析を補完するもので、「清酒」全体ではずっと下降傾向にあるが、純米系日本酒の好調により、特定名称酒は堅調を維持していたことがわかります。

・6ページ目の「酒造好適米の生産状況」のグラフでは、H27年(2015年)を境に、その純米系の日本酒も失速していったこと、またコロナショックで現在危機的状況にあることが、示されています。

※酒造好適米の作付け量は、基本的に、酒造組合が組合員の醸造計画から次年度の需要を取りまとめて農協に発注する形で決まります。

純米系のピークだった数年前、2015年ごろを思い出すと、東京から「日本酒セルフ飲み放題」や「日本酒原価酒場」などの新業態が現れたりして、日本酒を商材として活用するお店が増えた時期だったと思います。裾野が広がり、日本酒をもっと飲んでみたいという若い層の流入がありました。でも、少子高齢化などの大きな背景もあって、限界に達するのが思ったより早かったみたいです。

あと、若年層の消費行動のパターンに、日本酒側が寄せていくのは、やっぱりむずかしいです。ワインみたいにオシャレ感を出せばいいかといえばそうではなく、「売り手」をしっかりと育てていかなければ、せっかく興味を持ってくれた若いお客さんが、歳を重ねながら定着してくれないんですよね。

今はたぶんもう「マリアージュ」とかは面倒くさいと思う人がほとんどなんとちがいますか。忙しいしお金も使いたくないから、日本酒なんかチョットでいいんやと思います。こうなったらうちも「日本酒バー」にしようかな?和食っていうのがまた重たくてですね…。

コロナの影響はとにかくデカいです。これからどうなっていくのか、見通せません。焼け野原からの復興になってます。

日本酒業界にとって頼りになるはずの、「R35」、味の分かる現役世代中堅層、このへんがみんな節約家になってしまっていますよね。みんな自分を守る意識で行動するので、まわりが消費してくれるのを期待しながらも自分は消費しない。

この硬直を切り崩しにかかるには、やはり女性から攻めていくべきでしょうか?僕は最近は、よくわかりません。もしかしたら「ミックス・カルチャー」みたいなコンセプトを探してきて、いっそ日本酒を啓蒙したいマインドはうんと薄めてしまうのがいいのかもしれませんね。

とにかく、日本酒業界はまたイチから出直す覚悟が要ると思います。小さなことからコツ、コツ、コツ、と。

アクセス

大阪メトロ谷町線 東梅田駅徒歩5分
お初天神(露 天神社)の中を通り東門を出てスグ

  • 月〜土 17:30 - 0:00
  • 日・祝 定休

露 天神社は東西南北に通り抜けできます。ここを目標にしていただくのが確実です。
当店は全席禁煙とさせていただいております。また、日本酒以外のドリンクはあまり多くはご用意しておりませんので、あらかじめご了承ください。

 

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