2021/01/25 21:34
2021年1月吉日、以下の内容でニュースレターを配信しました。
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2021年ぼやき初め
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『お初天神 ほくりゅう』です。
このメールは「ぐるなび」から会員登録頂いた皆様にお送りしております。
ただ今、当店は営業時間を短縮し、19時お酒のラストオーダー、20時閉店に変更しています。
オープンは17:30ですが、早めに来店されても対応できるかぎり対応します。
あと、「日本酒テイクアウト」という試みも行なっております。
https://www.instagram.com/p/CJLGRVhAaZ1/
とにかく、いよいようちの店も次の改革を急がねばならない状況なわけですが、いろんな事情で、ずっと足踏み状態を続けています。「日本酒テイクアウト」なんて小手先の改善策ばかりでは限界があるのに、歯がゆいばかりです。
そもそも、コロナ前から、外食業界は急激な変化のただ中にありました。人口の減少(老人以外の)と、インバウンドと、様々なコスト増。古いお店ほど、軌道修正が必要になっていたんです。
これは昭和世代向けの補足説明になりますが、いわゆる「サラリーマン層」つまり、会社帰りの30〜60代の男性客とそれに準ずる独身女性のひとり客などの層は、いまは全くあてになりません。それで「女子会」が台頭してきたわけですが、いずれにせよ「会社帰りに」というシチュエーションが、もう下火です。
「サザエさん」じゃあるまいし、男は仕事、女は家庭、なんて時代はとっくに終わっています。数年前は「男が酒を飲まなくなった、情けない」っていう意見も多かったけど、今は完全に「家事育児を放棄して家に帰らない男、サイテー」が多数派。
都心部は、少ないパイを奪い合う過当競争が激化し、店の前にも交差点にも呼び込みのバイト君を立たせ、朝まで営業したり、「相席居酒屋」なんて業態を開発したり…。
その流れで、個々のケースはあるものの、ざっくり言って、酒と料理の「質」が犠牲にされました。質よりも、人が集まっているかどうかという「フォロワー数」みたいな指標で店が選ばれる傾向が強くなり、料理人の腕やこだわりはほとんど取り沙汰されなくなりました。
そして、コロナ。サラリーマンが会社に行くことすら減り、中国人が戻ってくるとも思えず、もはや地政学的に自分の店の立地がイケてるのかイケてないのかすら分からない。
財務的にも、闇、または濃い霧が立ち込めているのが、今の状況です。
僕なら、今の店を閉めて、別の場所に新しい店を出します。それは今後数年間の外食業界の流れになると思うし、チェーン店が繁華街から撤退してあちこちの都市居住区に店舗を散らしていくと、疲弊した個人店や若い経営者(これから独立する人)にとっても好都合です。
繁華街でいかに良い空き物件を掴むかというゲームに参加しなくていいし、ぶっちゃけ利益率の高い店づくりがしやすくなるからです。
だから、もし自分の家の近くに新しいメシ屋がオープンしたら、早速行ってみるべきです。たぶんファミリー客は歓迎でしょうし、そこで近所づきあい的な出会いも期待できるでしょう。子どもの宿題を見てやってから、ストレス発散でそこに飲みに行くのもいいじゃないですか。
家庭をベースに近所に飲みに行く、という時代には、やはり「質」が重要になるでしょう。もっというと、自分の好みに合うかどうか。それって、僕らの世代にとってはごく当たり前の指標だったのに、ここ数年、歪んでいたんだと思います。外食業界と消費者の両方が。
早く新しい時代がきますように。
大阪メトロ谷町線 東梅田駅徒歩5分
お初天神(露 天神社)の中を通り東門を出てスグ
※ 露 天神社は東西南北に通り抜けできます。ここを目標にしていただくのが確実です。
※ 当店は全席禁煙とさせていただいております。また、日本酒以外のドリンクはあまり多くはご用意しておりませんので、あらかじめご了承ください。